こんにちは!はだ農園です。
今回はtabo研究所ということで『アミノ酸』についてお話ししようと思います。みなさんはアミノ酸についてどういった印象をお持ちでしょうか?農業分野というより、まず人が摂取するサプリメントを思い浮かべた方も多いんじゃないでしょうか。特にアスリートが意識して摂取しているイメージがあり、体にいいものという印象がありますよね。植物にとっても同じでいい作用をもたらすものでもあります。
ただ、あまりに名前が先走り過ぎて『アミノ酸はいいもの』という漠然とした考えをお持ちの方も多くおられると思います。『アミノ酸の魅力を知り尽くしていないそこなあなた!!』に届けたい。アミノ酸が作物に与える影響とその無限の可能性を。
それでは参りましょう。
アミノ酸とは
まずは基本的なところではありますがアミノ酸がどういったものかを知ってみましょう。意外と知らないことも多いかもしれませんよ(^^)v

そもそもアミノ酸って何?
アミノ酸は1806年にフランスで発見されました。初めはアスパラガスから発見されたので『アスパラギン』と名づけられて、それ以降様々なものからの見つかり1935年までにはたんぱく質を構成する全てのアミノ酸が見つかったとされています。現在、自然界の中には約400種類のアミノ酸があり、その中でたんぱく質を形成するものは20種類とされています。たんぱく質を形成するアミノ酸は大きく分けて体の中で作ることのできない必須アミノ酸と体の中で作ることができる非必須アミノ酸の2種類があります。
アミノ酸はたんぱく質の原料です。イメージとしては20種類のアミノ酸が鎖のように連結してたんぱく質となっています。その連結しているアミノ酸の数が50個未満でしたら『ペプチド』と言われ、またその中でも数によってオリゴペプチドとポリペプチドに分けられます。アミノ酸が50個以上のものがたんぱく質と言われ、その数や並びによって無数のたんぱく質の構成を成しています。人や植物はもちろん細菌やウイルスと、地球上に生息する全ての生き物はたんぱく質を持ち個体の内外の形成やエネルギー源という重要な役割を果たしています。
植物とアミノ酸の関係
アミノ酸が植物に与える影響はとても大きく、健全な状態を維持することで活発な細胞分裂によって成長を促進させたり花芽形成促進させる効果があります。さらに、免疫力が上がることにより病害虫にも侵食されにくくなります。
また、食味にも大きな影響を与えるとされています。人の味覚には5つあり甘味・酸味・塩味・苦味・うま味があります。前から4つの味覚は『甘い』とか『苦い』とか表現しやすいものだと思います。ただ『うま味』だけは何とも表現しづらく敷いて言うなら『奥深い』といった感じになると思います。ほんとにおいしい野菜や果実を食べたときに特別な味を感じたことはありませんか?それがうま味であって、うま味はアミノ酸から引き出されるものです。ですからアミノ酸をうまく活用することによって農家さんは自分だけの特別な味を出すことが出来ます。
作物に対するアミノ酸の役割
では具体的に作物内でアミノ酸がどのように動いて関わっているか説明していきたいと思います。今回は分かりやすいところで2つ紹介したいと思います。

光合成
光合成は植物にとってとても重要なことであり、これに対してもアミノ酸は大きな関りを持っています。根から吸い上げられたアンモニアや硝酸(無機態窒素)は植物内で炭水化物(グルコース)と合わさりアミノ酸(有機態窒素)となります。さらにアミノ酸がたんぱく質を構成し葉や茎、実や根などを形成します。
少し細かく言うと植物内でアミノ酸が生成される時にまずできるのが『グルタミン』というアミノ酸で、これを基に他のアミノ酸が生成されていきます。またアミノ酸が生成される過程では大量のATPが消費されます。植物がかなりの負担を負ってでも生成するということはそれだけなくてはならないものだということですね。
光合成能力が著しく低下するのが曇天が続く日や寒い日だということは前にも説明しました。その時にはアミノ酸が光合成を促進させつつ植物をサポートしてくれる効果もあります。現在、アミノ酸は有機態窒素のまま植物内に取り込まれることが分かっています。なので植物内で生成される過程を省いてショートカットでたんぱく質を構成できるとされています。その時本来だったら消費する大量のATPも温存でき光合成能力が低下してもアミノ酸が作用していると植物に影響が出にくいです。
根
アミノ酸は根の形成にも深く関わっています。アミノ酸が作用することで根の張りが良くなります。特に細根と言われる根の先端にみられる血管のような細かい根の発育がよくなります。細根は養分を吸い上げる重要な根となります。
アンモニアや硝酸(無機態窒素)は浸透性や即効性があることから根に触れやすく、根が地中を動かずとも吸収しやすいので意外と細根は発達しません。アミノ酸(有機態窒素)は分解に時間がかかるため細根が栄養を求めて広く動くことが分かっています。
また細根と言えば植物ホルモンのサイトカイニンですよね。細根でしか生成されず、側枝や花芽の形成を促す作用があります。たくさんの細根があるということはたくさんのサイトカイニンが生成されるということであり、作物の栄養成長と生殖成長のバランスを整え生育しながらでも多くの収穫量を確保できるようになります。
アミノ酸の活用法
アミノ酸の活用方法としては土壌から与える方法と散布して与える方法があります。それぞれの特徴を紹介していきたいと思います。また単にアミノ酸を与えればいいということではなくどういう風に効くといったことも理解してほしいので、少し過程についてもお話ししていきたいと思います。

土壌への施肥
以前肥料のブログで紹介しましたが肥料は化学肥料と有機肥料の大きく分けて2つの種類があります。無機物である化石燃料や鉱物を砕いて人工的に合成した物が化学肥料で、生物由来のものを原料としたものを有機肥料と言います。どちらにも窒素という原子があり化学肥料は無機態窒素、有機肥料は有機態窒素として表されます。そしてアミノ酸は有機態窒素になります。
1840年ドイツの科学者であるリービッヒが『無機栄養説』を公表し、植物は最終的に無機物を吸収することを唱えました。これにより化学肥料が発明されて今に至っています。その過程として土壌に撒かれた有機物は微生物によって『たんぱく質→アミノ酸→アンモニア→硝酸』となって植物内に取り込まれ植物内で『硝酸→アンモニア→アミノ酸→たんぱく質』となり隅々までいきわたるとされてきました。ただ近年アミノ酸の一部が土壌から直接取り込まれることが分かり、アミノ酸が効率が良くいろんな可能性を秘めているものだということが分かってきました。
また、無機態窒素は根から9割ほど吸収されるのに対し有機態窒素のアミノ酸は7割の吸収にとどまり残りの3割は根に残って発根を促すことが研究によって分かっています。
人の都合で作った肥料で作物をコントロールしようとするより自然由来の肥料で作物に委ねる方が結果的に良くなるって1周回ってなんか面白いですよね(^^)v
葉面散布
土壌から直接アミノ酸が吸収できるということは葉面散布からアミノ酸を散布してもアミノ酸として植物内に浸透することになります。さらに有機態窒素の弱点である即効性を葉面散布で補うことができます。まぁ吸収量と持続性に関しては土壌から施肥より大きく劣りますけどね(^^)v
アミノ酸の葉面散布について面白い実験データがあります。植物の真ん中の1枚だけの葉にアミノ酸を散布して1時間後に散布したアミノ酸が植物内でどのように移行したかという実験です。どのような結果になったかというと散布した1時間後には散布した葉の上の1、2枚目の葉にアミノ酸の移行がみられ、まだ形成途中の生長点にまで届いていることが明らかになりました。また、下の葉には移行しておらず、この実験で分かったのは有機態窒素であるアミノ酸でも即効性はあり、植物内に浸透した後は上にしか移行しないということが明確化されました。
即効性はある程度予測できましたが上にしか移行しないって面白いですね(^^)vてっきり全体にいきわたってるイメージを持っていました。

まとめ
いかがでしたでしょうか。アミノ酸の魅力と可能性が伝わったでしょうか?近年、アミノ酸は植物に対する新たな効果が発見され改めて必要性と重要性が認められています。アミノ酸の価値が高まるということは有機質の価値が高まるということでもあります。
前までは有機質を使うことが作物にいいからとか味が良くなるからとか環境にいいからと言った漠然としたイメージだった農業栽培でしたが、今は学者さんたちのおかげで研究も進み有機質がなぜいいのかが明確化されてきました。アミノ酸もその1つです。有機質を畑に撒くということは分解過程で必ずアミノ酸になります。知らず知らずのうちに私たちはアミノ酸の恩恵を受けています。
栽培において知らないままアミノ酸を使っているのと意識してアミノ酸を使っているのとでは大きな差が生まれます。よく言うじゃないですか!筋トレするときに大事なのは使っている筋肉を意識することだって!そういうことです(^^)v
意識して使うこともそうですが、最終的にアミノ酸を使いこなすようになれれば天候や自然災害に左右されにくい理想的な安定した農業経営ができるはずです。アミノ酸はそれほどの力を持っています!
質問や感想などありましたら是非コメント欄へお願いします。
それでは、また。


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