はだ農園

針尾汐風みかん



食料自給率の謎 ~知っているようで知らない日本の食料事情~

こんにちは、はだ農園です。

今年も例年通り農作物は異常気象による影響を受けています。干ばつの所もあれば豪雨に見舞われるところもあったりと先が読めない状況が続いています。こうも毎年続くと異常気象というかこれが普通なんだと思ってしまうほどです (笑)。

さて今回のお話しは『食料自給率』についてのお話しです。誰しも1度は聞いたことがあるんではないでしょうか。しかもその内容は『日本の食料自給率は世界に比べると極端に低い』というのもセットで聞いているはずです。

ただそれには理由があり、多くの人が誤解していることもあります。正直この問題は賛否両論があり過ぎるのでとても説明しにくいです。ですが、食糧問題は人が生きていくうえで必ず付きまとってくる問題ですので、なるべく分かりやすくご説明していきたいと思います。

それでは参りましょう。

日本農業の様々なランキングから見えてくる疑問

まず食料自給率をお話しする前に世界と比べて日本の農業事情を世界ランキング形式から見ていきたいと思います。そうすることでいくつかの疑問点が出てきます。

世界の農業生産額ランキング

これは簡単に言うと世界の農業ランキングと捉えていいと思います。1位は中国、2位はインド、3位はアメリカです。この上位3か国は面積、人口ともに世界トップクラスですので農地、労働者が潤沢な国が農業大国になりやすいということが言えます。さらに言えば1位の中国は2位のインド倍以上の生産額を誇っており吐出していることが分かります。

日本は何位か気になる所ですよね。食料自給率が低いのでランキングも低いだろうと思っている方もいるでしょう。実は、なんと10位なんですよね。意外と高いんです(^^)v食料自給率では日本を上回るフランス、イタリア、カナダ、ドイツよりもランキングは高く日本は農業大国になります。

先進国だけで言うとアメリカに次ぐ農業大国なので決して生産額が少ない国とは言えないでしょう。

世界の農産物輸入・輸出ランキング

次は輸入と輸出の面から見てみましょう。世界の農産物輸入ランキングで見てみると日本は5位です。一見、食糧自給率が低いからやはり輸入に頼っていると見てしまいがちですが1位、2位を見てみると農業大国のアメリカ、中国となっています。ですから一概に農産物の輸入と食料自給率を結び付けることはできないということです。普通に考えて貿易が活発で経済圏が大きい国は農産物の輸入も多いということなんでしょうね。

次に、輸出を見ていきましょう。世界の農産物輸出ランキングで日本は43位です。低い!とにかく低いです!言うまでもなく先進国としてはダントツのドベです。あるものでまかなうのが上手いというか売り方が下手というか日本人らしい結果だと思います。ですが決して良い結果だとは思いません。だって日本の農産物は量より質を重視しているものが多いからです。島国で農産物が輸出しにくいのは分かるんですがもっと日本産の農産物を売り出して欲しいものです。

日本の食料自給率

さぁここから徐々に本題に入っていきたいと思います(^^)vここまでの話しを聞く限り日本の農業が世界と比べて決して劣っているようには思いません。ですが、日本の食料自給率でよく聞くのが『37%』という数字ですよね。それと比べて世界はカナダ266%、オーストラリア200%、アメリカ132%、フランス125%、ドイツ86%、イタリア60%となっています。これらは全てカロリーベースの算出です。日本の立場から言えばカロリーベースでの算出ですので『嘘ではない回答』とはなりますが、国の特徴が出やすい算出でもありますので差が大きくなっても仕方ない部分もあると思います。

世界基準の生産額ベースで見てみるとカナダ123%、オーストラリア128%、アメリカ93%、フランス83%、ドイツ62%、イタリア87%となり日本は66%です。決して高いとは言えない水準ですが低すぎる訳でもないと思います。

食料自給率の算出方法3パターン

食料自給率の算出方法にはいくつかの種類があります。まぁ普通に考えて世界統一にしてくれよとは思いますけどね(^^)vまぁ国によってそれぞれ深い事情があるのでしょう(笑)。

カロリーベース

日本でよく言われる食料自給率はカロリーベースで算出されたものです。食料自給率をカロリーベースで示している国は少なく、日本以外では韓国や台湾ぐらいのものです。

算出方法としては『1人1日当たりの国産供給熱量÷1人一日当たりの供給熱量×100』で計算されます。簡単に言うと1日のカロリー消費のうち国産のものはどれだけあるのかっていうことです。意味は分かったけど『×100』ってどういうこと!?だから数学は嫌いなんだよと思った方、安心してください(笑)。『×100』は%を表すために数式に使うものですので全く気にしなくていいです(^^)v

日本では1人1日当たりの消費カロリーの平均が2269㎉です。その中で国産のものは843㎉だと言われています。それをパーセンテージで表すと37%になります。

では何故カロリーベースになると食料自給率が低くなるのでしょうか。そこにはカロリーベースならでは決まりがあるからです。

カロリーで算出するということは高カロリーのものが大きく反映されるということです。例えば穀物、畜産類、魚、油類がそれにあたります。穀物はとにかく栽培面積がものを言います。作業を機械化してたくさん作ることで収益をあげます。ですが、世界から見て国土の狭い日本では大量生産できず中途半端に作ってしまうと収益が上がりません。これが日本がお米以外の穀物が少ない理由となります。また、畜産業は日本は世界に引けを取っていません。ですがカロリーベースとなると話は別です。何故かというとカロリーベースでは輸入の飼料を与えている畜産物は国産とはみなされないからです。これでどのぐらい変わるのかというと、生産額ベースとカロリーベースを比較すると牛は43%が9%に豚は48%が6%に、鶏は95%が8%と圧倒的に低くなります。

他にも、日本の野菜は80%の食料自給率を誇ります。これは素晴らしい数字です。ですが、野菜はカロリーが低いのでカロリーベースでの算出には反映されにくいものとなっています。また、日本の年間の食料ロスによる廃棄されている食料は2000トン程だと言われています。食べていないにしてもそれも消費とみなされ分母の方に加えられるので%が下がる要因となっています。

こういったことを考えるとカロリーベースで算出する限り食料自給率を上げていくのは難しいですし、上げれたとしても国によって限界があると思います。

生産額ベース

世界でよく言われる食料自給率は生産額ベースで算出されたものです。先程述べたカロリーベースで算出している国以外の国は生産額ベースで算出されています。算出方法は『食料の国内生産額÷食料の国内仕向額×100』となります。簡単に言うと1年間で国内で消費された食料の額のうち国産の生産額はどれくらいかということです。

この算出方法の特徴は計算が楽で分かりやすいところにあります。輸入も国内で消費された食料に入りますし、輸出は入らないと非常に分かりやすいです。また、それぞれしっかりとデータが出ている物を合わせて計算するだけなので多くの国が取り入れやすいものとなっています。

生産額ベースで日本の都道府県を見てみると1位は宮崎287%、2位は鹿児島260%と畜産、野菜が盛んな地域が優位性があるように思います。カロリーベースと違い生産額ベースでは野菜はカロリーではなく重量、畜産では飼料ではなく産地で見られるからです。

日本はここ50年でカロリーベースで言うと約35%減、生産額ベースで言うと20%減という数字が出ています。これが何を指すのかというと、成熟された国つまり先進国では食料自給率が低いのは致し方ないということです。国が繁栄されるにつれ、食料にも高級なものや安価なものなど様々な多様性を持った特徴的なものが出てきました。多様性を持つことは幅が広がるということであり、その分食料自給率が低くなります。その影響を受けやすいのがカロリーベースであり、多少影響は受けるものの大きく変化しにくいのが生産額ベースと言えます。

重量ベース

この算出方法はおまけぐらいの感覚で覚えておいていいのですが、重量ベースとは品目別の食料自給率を表すときに使われたりするものです。農産物の重さを基準に算出されます。算出方法は『国内生産量÷国内消費仕向量×100』で表します。

簡単に言うと1年間で国内で消費された量のうちどのくらいが国産かということです。算出方法の中でも最もデータが少なくて済むので品目ごとの目安として使われることが多いです。まぁこんなのもあるのかというぐらいで覚えておきましょう(^^)v

食料自給率に対してのそれぞれの意見

日本の食料自給率が高いのか低いのか、または現状維持でいいのか向上を目指すのかということに関しては様々な意見がありますが、1つだけ言えるのは中立の意見はないということです。人それぞれ様々な考え方があるので、どちらの考えが正しいというつもりはないですが互いが食料自給率に対して思っているであろうことをまとめてみたいと思います。

食料自給率に危機感を持っている派

カロリーベースで日本を見た場合は日本は明らかに食料自給率が危機的状況だと言わざるを得ません。3分の1しか国内産の消費がないからです。どう見ても低いですよね。

また近年の食の変化も食料自給率の低迷に大きく関わっているとされています。日本は先進国で成熟された国であることから貿易も活発に行われています。さらにインターネットの発達とともに海外の情報が入手しやすい状況になりました。それによって日本の食文化は大きく変わり多様性のある食文化となりました。昔は主食が日本産である米が当たり前でしたが、今では多くが海外産の小麦も主食として代表的なものとなっています。国が栄えるということは、あるものを食べるというより好きなものをたべるということになってくるのかもしれませんね。

そして食料自給率を上げるための方法でよく言われているのが、国が高く買い取ることを前提で海外に頼っている利益が低い農産物を国産で作るという方法です。そこまでしてという意見もありますが、食料自給率を上げるためにはお金がかかりますし、食料自給率は国の強さを表すものと捉える方も多くいるのも確かです。

食料自給率に危機感を持っていない派

危機感を持っていない人はそもそも食料自給率をカロリーベースではなく生産額ベースで考えている人が多いです。世界的に生産額ベースなんだからカロリーベースで比べても意味がないという感じなんでしょうね。すると、食料自給率は67%となり、3分の2が国内産ということになります。食料自給率としては高くはないけど優先的に国がお金をかけてまで取り組むことではないという話しも聞きます。むしろないものを国内で生み出すのに多額のお金を投じるなら安価で海外から仕入れた方がいいという声も少なくありません。農家風に例えるなら、メインの作物がある農家が中途半端に広く家庭菜園を作ってしまうとメインの作物に手が回らなくなり本末転倒になると言った感じですかね(^^)v

また先程も述べたように先進国では食料自給率が低い傾向にあります。そのうえ日本は国土が広くないので『量』を求めることができません。だから食料自給率は高くなくて当然、というか現状よく維持しているという見方もできるということです。

まとめ

長々とご説明してきましたが、食料自給率というものはどういうものなのか、基準や内容についてご理解頂けたんじゃないでしょうか。理解した上で人それぞれ考え方は違いますし、価値観も違います。どれが正解だというわけではありませんが日本の将来について深く考えるきっかけになればと思っています。

さらに言うと私が伝えたかったこととしては全てを把握した上で日本の食料自給率について自分なりに明確な意見を持ってほしいということです。答えを出すということは悩ましいく難しいことですが、『食』というのは生きるために絶対に必要なものであり、食の安定は国の安定にも繋がります。また、人を幸せにするものでもあります。それほど大事なものですから是非1度足を止めて真剣に考えて欲しいと思います。ちなみに私の答えはここでは伏せさせてもらいますね(笑)。

日本の農業には高齢化、後継者不足、自然災害など数多くの問題がありますが、まずは懐事情を理解して今後の農業の展望を考えていきましょう(^^)v

質問や感想がありましたら是非コメント欄へお願いします。

それでは、また。

私が伝えたかったことは、食料自給率について正しい知識を得たうえで自分なりの考えを持ってくださいということです。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA