はだ農園

針尾汐風みかん



不名誉な称号!『高齢化率NO.1』 ~今一度農業の高齢化について考えよう~

こんにちは!はだ農園です。

今回は『農業の高齢化』についてお話ししようと思います。この問題は今さら出てきた問題ではなく、ずっと前から言われてきた問題です。ですから、農家の方はもちろん農業とは関係ない方も知っている方が多いんじゃないかと思います。ただ、本当の現実を知っていますか?

『農業の高齢化を安易に捉えているそこのあなた!』今農業の高齢化は待ったなしの状況となっています。どの程度危機的な状態なのか数字とデータで具体的に見ていきましょう。

それでは参ります。

農業の高齢化に関わる推移

いくら高齢化が進んでいると言っても数字で見ないと本当に分からない部分は多いと思います。ですので分かりやすいように高齢化の推移をデータで見てみましょう。

高齢化率の推移

産業別の高齢者数(65歳以上)で言えば卸売業・小売業が1位(126万人)に次いで2位が農業・林業(108万人)なのですが、これは就業人口が多いだけであって高齢化率で見ると農業は圧倒的に1位となります。

その高齢化率は69.6%(65歳以上)でなんと就業人口の2/3以上となります。2位の管理職が32.1%で、その他の職業は全て10%台となっています。管理職は基本的に経験を積んだ人がなるものなので年齢が高いのは納得できます。ですが、農業にはそういうことは当てはまらないのでただ単に高齢化が進んでいると言えます。しかも60~69歳が28.8%70歳以上が51.1%となっていて高齢者の中でも若い層が多いというわけではありません。

ここで知って欲しいことは55歳以上の人も10年したら高齢者になるということです。農業従事者の50歳以上が89.2%、40歳以上が95.1%と恐るべき数字になっています。放っておけば今後20年で農業の高齢率は9割近いものとなります。

ここまで高齢化が進行してしまうとなかなか止めることはできないでしょう。しかし、これを現実として受け止め、なんとか進行を遅らせ次の代に繋げていかなければ農業は衰退していくでしょう。

農業従事者数の推移

高齢化率が高い農業では農業従事者数も年々減少しています。2000年に389万人だったのが減少を続け2011年には260万人と約2/3となり、2016年には192万人と半数となっています。そして2021年には1/3となる130万人と減少に歯止めが効きません。

ここで知って頂きたいのは、なだらかに減少しているのではなく激減しているということです。2000年から2011年で30%減少しているのはともかく、2011年から2021年までの10年間では40%減となっています。トータルでみると2000年からの21年間で70%減は異常事態だと思います。人口が20年で70%減する職業が他にありますか?それほど農業は危機的な状況なんです。

農地面積の推移

高齢化が進み農業人口が激減している中、農地面積はどうなっているんでしょうか。農業人口がここ60年の間に90%近く激減しているのに対して農地面積は60年で27%減となっています。27%減っているのも約1/4なので大きいことなんでしょうが就業人口と比較してみると、その減少率は低いものと言えます。近年では機械化が進み1つの農家が管理できる農地面積が広くなったということなんでしょう。

一方、耕作放棄地を見てみると、1985年の13.5万haから2015年の30年で42.3万haと3倍以上になっています。同じ時期の30年で農地面積が17%減に対して耕作放棄地が300%増は理屈として合わないですよね。

つまり農地の推移について何が言えるのかというと機械化が進み機械や物流など人によって効率がいい土地が農地として開発される一方、それ以上に多くの効率が悪い土地(山間地域や中間地域の土地)が耕作放棄地として増え続けているということです。今は耕作放棄地を減らすために国も様々な政策を打っていますが何とか増やさないのが手一杯のようです。

高齢化による業界のデメリット

農業だけに限らず高齢化が進むとその業界は衰退していきます。では具体的に高齢化による業界のデメリットはどういったものがあるのでしょう。

就業者人口の減少

高齢化が進んでいるということは若い世代の参入が少ないということです。若い世代が少ないと平均年齢が上がっていき、いずれは産業の人口が減少し衰退化を招く恐れがあります。量より質の方が大事だと言われる方もいると思いますが、就業人口に限っては圧倒的に質より量が大事になります。

産業を維持または向上させていくためには関わる人が多いにこしたことはないんです。よく組織の下から上までをピラミッドに例えられますが、就業人口が増えるということは裾の尾を広げるということであって、裾が広がると自然とピラミッドが拡大していきます。人の数は産業の力そのものなんです。

産業の不活性化

高齢化は産業の活性化にも大きく関わってきます。先程と重なりますが就業人口が減少すると産業の不活性化を招き、産業が発展しなくなります。発展がなくなると産業は衰退する一方です。昔ながらの商店街を思い浮かべてもらうと分かりやすいと思います。

活性化していた時は店舗数も多く商店街に人が溢れ活気に満ちていたんでしょうが、次第にお客さんが減少し店舗数が少なくなると商店街の発展がなくなり衰退していってしまいます。いわゆるシャッター街になってしまうということです。

農業も全く同じような道を辿っています。なんとか行政によって手厚い補助を受けて難を逃れていますが不活性化による崖っぷちの状況であることは何ら変わりはありません。

事故率の上昇

高齢化は業界の事故率にも大きく関わってきます。特に、死亡事故に関しては他の職業と比較にならないほどの数字が出ています。

就業人口10万人当たりの死亡事故件数で言うと全産業で1.5件となっています。建設業が6.5件で平均の4.3倍と高い数字が出ています。建設業は毎日のように重機を使う仕事ですので致し方ない部分もあると思います。ただ農業はそれとは比較にならない数字となっているんです。なんと16.1件!平均の10倍以上です。農業も機械を使うことが多いんですが建設業程ではありません。一番の原因は不注意によるものです。特に高齢者による不注意や簡単なミスが大事故に繋がっています。

また、大けがをした場合に助かりやすいのは年齢が若い方ですよね。ですから事故の件数が同じだとしても農業は命に係わる事故が必然と多くなってくるんです。

農業の高齢化率が高い理由

ではどうして農業は他の職業に比べて高齢化率が高いのでしょうか。それには農業特有の問題が大きく関わっているんです。

定年がないから

単純なことですが言われてみれば納得できることですよね。農家のほとんどが個人事業主でありいわゆる自営業にあたります。自営業には定年はありませんので必然的に平均年齢が上がっていくわけです。生涯現役ってやつですね(笑)。

また仕事場が自宅近辺なことや作業時間、作業ペースも自分次第なのでやろうと思えば何歳までもできてしまう職業というのも高齢化につながる1つの要因だと思います。

定年が決まっていないことが良くないと言うつもりはないですが今のままでは農業の平均年齢が下がることはないでしょう。

後継者がいないから

後継者とはつまり跡継ぎのことです。農業だけに限らず跡継ぎがスムーズに行われている会社・自営業は新陳代謝がよく平均年齢も比較的若くなってきます。ですが農業の高齢化率が高いと言うことは跡継ぎがおらず、主で働いている農業従事者が代がわりできずに次第に高齢者となっているのが現状です。

近年、婚姻率や生涯未婚率、平均出産年齢が年々上昇傾向にあります。男女共に働き、社会を回し経済を発展させる国の方針の中では致し方ない問題ではあるんでしょうが農業のような個人事業主の後継者不足にとっては追い打ちをかけるような問題となっています。農業で生活を成り立たせるためにはある程度の知識や経験、体力が必要となってきます。それらを身につけるのは若ければ若いほど有利になります。社会の傾向と農業の問題が大きくミスマッチしているのが現状だと言えます。

若者が新規参入しにくいから

農業を始める際は国や県、市の補助があるにしても実際手出しする資金や借入するお金が必要となってきます。また、作物や生き物を育てるために先行投資型の職業なので運転資金も必要となってきます。そのため、リスクが高いと判断され特に若い人の新規参入が少ないです。

若いうちはいろんな仕事を選べるためによほど好きでない限りはリスクがあり、収入が不安定な農業は選ばれにくいのかもしれません。

まとめ

ここまでの話しでいかに農業が高齢化によって危機的な状況にあるか分かってもらえたのではないでしょうか。それに対して国や地方自治体が何かしら対策をとってくれてはいますが減少の度合いを緩やかにするのが目一杯で現状を維持することすら困難な状況となっています。

補助金や制度も新規参入や後継者確保にとっては大事なことなんでしょうが、私が思うに農業という産業を活性化させる1番大事なことは『農業に魅力・可能性を持たせる』ことだと思います。リスクがあることや先行投資型というデメリットは農業だけではなく他の産業にもあることだと思います。その中で農業が職業として選ばれない理由、それは魅力が伝わっていないからです。少々きつかろうが収入が不安定であろうがそれに勝る魅力があれば若い世代が夢を持ち参入してくるはずです。仕事を選ぶうえで『やりがい・生きがい』に勝るものはありません。ですので現役で農業を営んでいる私たちには若い世代に向けて農業の魅力を発信し続ける義務があると思っています。

世界の中でも特に高齢化が急速に進む日本の中で世代交代を進めることは容易なことではありません。現状がいかに崖っぷちな状況を再確認して他人事とは捉えずに一人一人が危機感を持っていかなければなりませんね。みんなで日本の農業を盛り上げていきましょう(^^)v

質問や感想がありましたら是非コメント欄へよろしくお願いします。

それでは、また。


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