
こんにちは、はだ農園です。
田んぼの畔つけの季節になりました。水面に太陽の光が反射して肌が一段と日焼けしました。最近は機械で畔をつける農家さんも多いですが、うちの田んぼはそんな多くないので手作業でしています。
もちろん朝はパン派ですよ(笑)。
さて今回は、マルチシート(マルチ)についてお話ししていこうかなと思います。マルチ栽培は農産物全般、特に野菜に用いられる技術です。特にハウスでの果菜類を作るのには必須なものとなっています。
はだ農園では、きゅうりとみかんでマルチ栽培をしています。
マルチには多くの種類があり、その用途も使い分けることで作物の成長を促すことができます。使い方は簡単なので農家のみならず、家庭菜園でもぜひ活用してみてください。
ただ使用にあたり注意点やマルチの効果を最大限高められるコツなんかも農家目線で紹介していきたいと思います。マルチを使いこなしておいしくたくさんの作物を育てましょう!
それでは参りましょう。
マルチの種類について
マルチと一言で言ってもその種類は数多くあります。細かく言えばマルチの厚さや穴があいているかあいていないかの違いなどがありますが、特に『色』によって使用目的が変わってくるのでぜひ理解した上で使い分けて下さい。
もちろんマルチを使用している私の感想もふまえて紹介していきたいと思います。

透明マルチ
透明マルチを使う目的としては『地温確保』の一点です。マルチ内での保温力はどの色でも変わらないのでいかに地温を上げるかということでは温度と光の量が関係してきます。透明ということで光がマルチの中に入りやすくマルチ内の温度が非常に上がりやすいです。
例えば、冬にハウス内で葉物類を育てる場合に透明マルチをして地温を確保したりします。そうすることで成長スピードが早まり春先にマルチをしていない物よりも先に出荷できるようになります。
ただ透明マルチには大きなデメリットがあります。これは使っていた私も色々と試行錯誤しましたが最後まで解決できませんでした。ズバリ『草が生える』ということです。それもちょっとどころじゃないです。使い方を間違えると作物の成長を妨げるほどの雑草が生えてきます。畑によっては草が生えにくい畑もあるんでしょうが、個人的には使いこなすのが難しいのであまりおススメできるマルチではないです。
グリーンマルチ
名前の通り緑色のマルチです。緑といっても手を後ろにかざすと透けて見えるぐらいの薄い緑です。目的としては地温上昇を高めながら草も生えにくい『バランス型』のマルチです。
はだ農園では、10月~5月、3月~7月にかけてのきゅうりにはグリーンマルチを使用しています。
透明マルチの次に光を通すので地温は十分確保できますし、ネットではそこそこ草も生えるとなっていますが長年使っていますがマルチ内に草がはえることはないですよ。
上級者から初心者まで誰にでも使いやすいマルチですので家庭菜園でもぜひ活用してください。
黒マルチ
真っ黒のマルチです。手をかざしても透けて見えることはありません。ですのでマルチ内に草が生えることはまずありません。覚えていてほしいのは黒いマルチは雑草抑制効果を目的としたマルチだということです。
地温上昇の面では、透明、グリーンには劣りますが光を吸収しやすい色なので地温を上げることはできます。
地温を確保しつつ光を全く当てたくない根菜類のジャガイモやサツマイモなどに用いるといいと思います。
シルバーマルチ
鮮やかな銀色のマルチです。手をかざしても透けません。シルバーマルチの特徴は光の反射です。そのため地温は抑えられます。雑草抑制効果は黒マルチほどではないですがグリーンマルチよりはあります。
シルバーマルチを使う目的としては病害虫の防止が1番だと思います。光の反射により害虫の飛来防止・被害軽減があります。アブラムシ類は忌避、アザミウマ類は方向音痴になるということが言われています。
ですが逆にコナガ、ヨトウムシなどには誘引効果があるので、作物を選んで設置する必要があると思います。比較的葉っぱを侵食されてもいい根菜類には向いていると思われます。
ただ、個人的には一部の虫を寄せ付けない一方で別の虫を寄せ付ける効果があるのならば使いにくいマルチなのかなと思います。
周りでもそんなに使っている人を見たこともありませんし…まぁそういうことです(笑)。
白黒マルチ
これは少し特殊なマルチで表面は白で裏は黒のマルチです。目的としては表面では白色の特色を活かし光の反射で地温を抑えます。どのマルチよりも地温を抑える効果があります。なおかつ裏の黒色で光を通さず雑草抑制の効果もあります。
いいとこどりのマルチですので他のマルチの倍ほどの値段はしますが、夏に作物を作る際には非常に強い味方となってくれます。
昔に1度冬のハウス内に使用したところ地温が上がらずにうまくきゅうりが育たず、とんだ目にあいました。必ず夏場だけに使用してください。
銀黒マルチ
使っている方には申し訳ないんですが、私はこのマルチの存在は知りませんでした。目的としては表の銀色で光を反射して虫を寄せ付けず、裏の黒色で雑草抑制効果をえるということなんですが、店頭に置いてあるのを見たことがありません。
好みの問題でしょうが、使う人は少ないと思います。
マルチの用途別の使い方~野菜編~
どのマルチでも基本は地温のコントロール、雨による土の流出防止、泥はねによる病気防止、雑草抑制の目的があります。それとは別に作物ごとの用途においてマルチを使うこともあります。

馬鈴薯
ここでいう馬鈴薯のマルチは春じゃがのことです。地域にもよりますがマルチなしでは定植が3月前後ぐらいで収穫が6月前後になる春じゃがですが、マルチを使うことで定植を2~3週間早められます。すると早いもので収穫が5月上旬となり競争相手が少なく高値で取引されます。
またどの作物もそうですが、新芽は霜に弱いです。霜にあたると枯れてしまいます。ですので早く植えたものはマルチをすることによって霜あたりを防ぎます。暖かくなりマルチの上からでも形が分かるように膨らんだ新芽をマルチを破って出してあげるんです。
このように作物によっては通常より早く収穫するためや霜あたりを防ぐためにマルチを使う場合もあります。
きゅうり
ウリ類などはとにかく土壌中の水分が欠かせません。特にきゅうりは常に湿っている状態を保つのがベストで乾燥なんてもってのほかです。そのためほぼ毎日のかん水は欠かせませんし、マルチによって水分を蒸発させなようにしています。
このように作物によってはかん水した水を効率よく土壌にとどまらせたり根に吸収させるためにマルチを使用する場合があります。
トマト
野菜の中でもトマトなど糖度を求めるものには水を切るという作業が必要となります。実がなりだしたら水は少量に抑えて作物にストレスを与え作物が生きようとする力を活かして糖度を上げます。
そのためここでのマルチの用途としては無駄な水分を流入させないために使います。ハウス内でも湿度が高い日は空気中にも多くの水分があるのでそれもなるべく触れないようにさせるためです。
このように作物によってはなるべく水を与えずに糖度を上げるためにマルチを使用する場合があります。
マルチ栽培~みかん編~
全国的に少ないですが露地みかんでもマルチ栽培は行われています。手間とお金が非常にかかりますが露地でも高品質のみかんを作れる環境となります。はだ農園でも全ての畑でマルチ栽培を行っており高品質なみかんを作る努力をしています。

使用目的
ズバリ『品質向上』と『高糖度』です。マルチを張ることできめ細やかで果皮が薄い上質なみかんとなります。また、一般的にみかんは10度~11度ぐらい、高くても12度とされています。この糖度でも甘いと感じるのですが、マルチ栽培で狙うのは13度~14度、条件が良ければそれ以上のものです。
同じ作物でも糖度が2度違うのは全く別物となります。食べた瞬間、に分かります。ここではマルチ栽培を紹介していますが、農家さんはいろんなやり方で少しでも糖度や品質を上げようと日々惜しみなく手間やお金をかけています。
特殊素材
みかんのマルチ『タイベックシート』の素材は特殊なものでできています。皆さんが分かりやすいとこで言うと病院などで使われる白い防護服と言えば想像しやすいんじゃないでしょうか。
特徴としては表側の水分(雨、露)は通さずに裏側の水分は蒸発させるという素材になっています。伸縮性などにより種類はいくつかありますが基本的な性能は一緒です。
タイベックシートが普及しにくい要因としては設置や管理に手間がかかるのもあるんですが1番は価格です。通常価格で1本100mで3万を軽く超えます。それを上の図のようにみかんの木の両サイドに張るのでとんでもないm数となります。耐久性は3年~4年です。毎年畑の数か所をかえるとしてもなかなかの金額となります。
また、今年はコロナの影響で防護服の生産が高まりタイベックシートの生産が少なく在庫もないため大幅な値上げとなりました。それでも高品質のみかんをつくるためになんとか購入しましたがそれをみかんの価格に反映できるかと言ったら分からないというのが正直なところです。
おいしいみかんを作るためにはそれなりの投資が必要なんですよね(^^)v
マルチ栽培での注意点
農家目線でマルチをするならこれは気をつけといた方がいいですよという注意点とか、こうやればうまくいきますよというコツみたいなものがあるので少し紹介していきたいと思います。
マルチの使い分けとサイズ選び
上記でも少し触れましたが色の使い分けは重要です。私としてはグリーンマルチと黒マルチと白黒マルチの3種類を使い分ければ十分だと思います。作物や季節によって使い分けて下さい。
また、マルチのサイズ(幅)にも注意してください。マルチを張る際は基本畝を立てて排水を良くしてから張るのでその分も考えて少し長めになることを計算しておいてください。一般的な幅としては130~150センチぐらいです。作物によって幅は異なってきますのでよく調べて購入してください。
マルチを張る前の準備
マルチは作る前にただ張ればいいというわけではありません。張る前の手順で作物に与える影響が大きく異なるので、そのコツみたいなものを紹介します。
まず草が生えている場合できるだけ取り除いてください。背丈の高い草なら畑の外に低い草なら除草剤や草払い機、草むしりでもかまいません。その後、石灰など土壌改良剤を入れて畑を耕します。そして肥料を入れてまた耕します。ここで大事なのは面倒ではありますが2回以上耕してください。複数回耕すことで土壌中に空気をたくさん入れて作物が生育しやすい土を作りましょう。それからマルチを張る幅で畝を立てましょう。
そしてここからが大事です。マルチを張る前に必ず多くの水分を入れましょう。雨が1番いいです。何故かというとマルチ内の肥料はすぐに効きだすわけではないので水分を入れて少し溶かして植えた段階で根から栄養を吸収しやすくしておきましょう。また、肥料に有機物が入っている場合はガスに気をつけてください。水が入り有機物が分解する中で初期に多くのガスが発生します。それが作物を植えている状態で発生すると根痛み、葉や茎の障害などに繋がります。ですので水を入れずにマルチをすると雨などでガスが発生しマルチ内にこもるという最悪の事態になることがあります。ガス抜きという意味でも雨に打たせるなどしてマルチを張るようにしましょう。
要は、天気予報を見ながら雨の降る前に畑を作りましょうということです。
まとめ
マルチの必要性と重要性は理解していただけたでしょうか?使い方によってはメリットが多いマルチですが道具を使うということは正しく使わないと失敗することも増えるということです。
ただ家庭菜園なんかではマルチを使って最初の手順さえ間違えなければ後はすごく楽になります。マルチ代わりに藁やもみ殻を使ってみるのもいいかもしれませんね。
作物はマルチを使わずとも収穫できます。ですが農家さんは手間やお金をかけてでもマルチを張ることで消費者の方に品質のいいものを数多く提供する努力をしています。
それをすごいだろというつもりは全くないですが購入するとき、調理するとき、食べるときに少しでも関心を持って頂けたら大変うれしくおもいます(^^)v
質問や感想がございましたら是非コメント欄へよろしくお願いします。
それでは、また。


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