はだ農園

針尾汐風みかん



年々ひどくなる猛暑の影響 ~農家が不安に思う今後の農業経営~

こんにちは、はだ農園です。

今回のブログはtaboの独り言ということで近年、世界的に問題となっている地球温暖化による『猛暑』についてお話ししようかなと思います。『猛暑』という言葉が頻繁に使われるようになったのはここ数年のことだと思います。指数としては35度を超える気温のことを意味します。とにかく暑いということです(笑)。2023年の今年で言うと35度どころか場所によっては40度近い気温を連日計測しているところもあります。この異常な温度が農業にどのような影響を与えているのか、さらに今後どのような影響が予測されるのか考えてみたいと思います。独り言のように綴っていくので気軽に読んでみて下さい(^^)v

それでは、参ります。

猛暑による異常気象

近年、問題となっている地球の温暖化は私たちに様々な影響を与え始めています。中でも猛暑により異常気象を招くことは深刻な問題となっています。異常気象を言い出せば切りがないのですが代表的なものをみていきましょう。

海面上昇

地球全体で最も深刻化している問題が海面上昇による陸の侵食です。すでに多くの島がその影響を受けており、中には海面上昇により島そのものが消滅しているところもあります。海面上昇の原因としては温暖化による海水の熱膨張や大陸にある氷山の融解があります。

現在、年間約2センチのペースで海面が上昇しており、特に島国の多いアジアでは大きな問題となっています。アジアと言っても台湾やバンコク、フィリピンのことかと思われるでしょうが、実は日本も試算では大きな被害を受けることが算出されています。このままのペースで海面が上昇すると2030年には台風や豪雨による洪水の影響と合わせてですが、東京では4%の土地が侵食され83万に被害が出るとされています。また、被害額としては7兆5000億円と予想されています。

気象の極端化

温暖化の影響は気象の極端化にも拍車をかけています。極端化とは高温と低温の差が激しくなったり干ばつやゲリラ豪雨が頻繁に起きることです。それも年々ひどくなり災害級の被害が毎年日本のどこかで起こるようになってきました。天候に左右されやすい農業にとっては大問題です。

具体例としては、35度を超える猛暑日や長い干ばつ、突然の雹や1時間に50mm以上のゲリラ豪雨などがあげられます。私が農業を始めて16年目になりますが肌感からしても確実に気象の極端化により異常気象に見舞われる回数が増えています。特に雨に関しては前は2~3年に1度くらいのゲリラ豪雨が今では毎年、数回降っているように感じます。それほど地球温暖化の影響は気象に影響を与えています。

大型台風

私が温暖化の影響により最も警戒しているのが今まで経験したことのないような超大型台風の襲来です。台風のエネルギー源は暖かい海から供給される水蒸気になります。巻き上げられた空気の中に含まれる水蒸気が気圧の低下による温度低下で水滴へと変わりその時に発生する凝結熱で空気が温まり、さらに軽くなって上昇します。それにより台風は発生・発達するのです。

私が16年前に農業を始めたころに比べると台風の規模が明らかに大きくなっています。前は950hpaと聞くと絶望するような大きさでしたが、今は九州に910~930hpaの規模で近づいてきてもおかしくない程になっています。それほど日本近海の海水温が高くなっていて日本に近づいてくる台風が衰えるどころか発達しながら近づいている印象をうけます。また、温暖化により高気圧の張り出しも強くなり九州にとっては最悪な五島沖を通過する台風も増えてきました。

台風の恐ろしいところは一瞬で全てを台無しにしてしまうことです。台風が大きければ作物もハウスも倉庫も被害をうけます。被害状況によっては取り返しのつかないこともあり、それによって離農していく農家さんも多くいます。今でさえそのような状況なのに今後さらに強い台風ができるとなると農業は存続できない職業なんじゃないかと思ってしまうほどです。運任せの職業で生活はできないですからね(笑)。冗談はさておき、断言できるのは今後温暖化が進むと必ず超大型台風ができて日本に大きな被害をもたらすのはそう遠い未来ではないということです。

猛暑による作物への影響

猛暑は気候だけではなく作物にも大きな影響を与えます。猛暑は作物にとって何一ついいことはありません。今後の夏の農業は猛暑との闘いになるでしょう。ちなみに下の画像は温州みかんが猛暑によって部分的に日焼けしてしまった被害です。

樹勢の低下

作物は猛暑の影響で樹勢の低下を招きます。高温になると葉の裏の気孔が完全に開いてしまい水分の蒸散が激しくなり作物内の水分が少なくなります。根からの水分の吸収も追いつかないどころか高温により細根も活動が鈍くなり水分・養分の供給が低下したり植物ホルモンの流れも悪くなります。

また、樹勢低下により作物の維持や実にとって大事な光合成も本来のようにできなくなります。光合成能力の低下は作物の収量や品質にも大きく関わってきます。光合成能力の低下により糖(グルコース)の生成がうまくできなくなると実の肥大や外観、糖度や作物の抵抗力などにも影響がでます。また、窒素の代謝も悪くなり作物内に溜まってしまうことで生理障害が起きやすくなります。とにかく猛暑になると作物も生命を維持することでいっぱいいっぱいとなり、実を充実させるのは二の次になってしまいます。

生育不良

樹勢低下と少し似た部分でもありますが、猛暑では顕著に生育不良が見られます。それは生育過程での伸長の悪さもそうですが種でいうと発芽しなかったり、発芽したとしても猛暑の影響で芽が焼けたりします。最悪の場合、作物自体が枯死してしまう場合もあります。果樹ではあまりみられませんが野菜では猛暑の影響で作物が焼けたり枯死することは珍しいことではありません。

対策としてはこまめなかん水などが有効的なのですが手間と時間がかかるため毎日できるかと言われれば難しい作業となります。また、猛暑の場合は高気圧が張り出しているために雨が少ないことも特徴であり、干ばつに見舞われやすい傾向にあります。作物の成長には水が欠かせませんがその水さえも温暖化の影響で確保できないこともあるんです。

今後の猛暑対策

今後、地球の温暖化が進む中で農業はどのように向き合っていけばいいのでしょうか。実際に現場で働いている農家として思う所はたくさんあるので率直な意見を述べたいと思います。

物理的に守る

物理的に守るとは何か物を使って暑さ対策をするということです。例えば水やりでも灌水チューブやスプリンクラーを使うことで時間と手間を短縮できます。最先端で言えばハウス内で上部から水や葉面散布剤をミストで散布することでハウス内の温度を下げたり遮光性を下げたりする技術もあります。また遮光で言えばハウス内外に遮光ネットを張ったり炭酸カルシム剤をハウスに吹きつけたりもします。はだ農園でも夏はハウス内に遮光ネットを張ったりハウスに炭酸カルシウムを散布して少しでも遮光できるようにしています。

露地でしたら果樹で言えば梨やぶどう、桃のように袋掛けをしたり、温州みかんで言えば猛暑が続く前に炭酸カルシム剤を木に散布してコーティングし実の温度上昇を抑え日焼けを防止します。ただ、露地はハウスに比べてできる対策が少ないです。

物理的な猛暑対策は色々とありますがどれをとっても絶対的なものではありません。なので逆に色々な方法があるんだと思います(笑)。今でさえ対策をとっても気休め程度にしかならないことも多いので、今後温暖化によりこれ以上の猛暑が続くとなるともう対策がないような気もしています。また、気休めの割には対策に労力とお金がかかるので、その費用対効果は決して高いとは言えないでしょう。

作物のポテンシャルを上げる

温暖化の影響で近年は連日の猛暑や干ばつ、逆にゲリラ豪雨、長雨など気象条件が不安定さを増す一方となっています。農業は天候に左右されやすいものであり、作物が気象条件によって品質や収量が著しく低下するのは仕方のないことだと諦められていました。しかし、私はそんなことはないと思っています。極端な考え方かもしれませんが天候に左右されないポテンシャルの高い作物を育ててあげればいいんです。私は結論そこに行き着きました。

天候に左右されにくい作物=『根と芽が健全で植物ホルモンの流れがいい作物』と思っています。特に根が健全であれば少々の悪天候には左右されません。分かりやすく人で例えてみましょう。

足が速い人はなぜ速いのか?なんか永遠のテーマみたいな書き方をしてしまいましたがすごく簡単な話しです(^^)v生まれつき早いか、環境で早くなったのかということです。またどちらも兼ね備えたスーパーマンもいますよね。環境は親の経済力や練習環境、良い指導者とのめぐり合わせがあることから運の要素が強いです。ただ生まれ持った才能はDNAによって決まるので、それは確定した要素になります。何が言いたいのかというと、ここでいう生まれつきは作物のポテンシャルで環境は天候のことになります。環境は選べないが高いポテンシャルを作ることはできるということです。

この考え方は私が最も重要だと思っている温暖化による猛暑対策です。潜在的に強い作物を作ってどんな気象条件にも柔軟に対応していきましょう。

作物を変える

作物を変えることはなかなか難しい決断になりますが、これからの温暖化を考えると必ず頭の片隅に置いておかなければならないことだと思います。実際私も今はハウスできゅうりを栽培していますが将来は熱帯果樹の栽培も念頭に置いて色々と考えています。

先程は作物のポテンシャルを上げることを強く推奨しましたが、やはりそれにも限界があると思っています。猛暑に関してはこれから技術では越えられない壁が出てくるでしょう。私が農業を営んでいる九州では近い将来40度を超える猛暑が訪れると思います。ネガティブな考えですが、品種を変えても技術を磨いても、いくら努力をしても自然の前では人は無力です。本気で農業に取り組めば取り組むほど、それを痛感させられます。なので選択肢の1つとして今後の予想される天候にあった希少価値の高い作物を早めに栽培することも1つの手法だと思います。周りが栽培していないものを作る不安はかなり大きいですが昔から産地というものはそうやって作られてきたはずです。常に先を見据えた農業経営をやっていきたいですね(^^)v

まとめ

いかがでしたでしょうか。現状の温暖化による猛暑の深刻さとそれによる作物への多大なる影響がお分かり頂けたのではないでしょうか。このまま温暖化による猛暑が進むと本当に日本の農業は壊滅的な状況になるでしょう。それを防ぐべく、各国ではSDGsにより温暖化への対策がとられています。ただ、その対策も温暖化の進行をとめるのではなく、できるだけ抑えるという目標です。人が地球上で生活する上で温暖化を止めることはできないということです。

異常気象の中でも『猛暑』は働く人にとっても育つ作物にとっても1番の難敵になるかもしれません。猛暑により様々な二次被害が起こることも予想されます。私たちにできることはその様々なことを予想して先手を打ち対策をとることです。『人は考える葦である』、人の力は自然の前ではあまりにも弱いです。ただ人は考えるという能力を持っています。未来は見えませんが予測することはできます。たくさん考えてたくさん悩んでたくさん仲間と話して、これからの猛暑に立ち向かっていきましょう(^^)v

質問や感想がありましたら是非コメント欄へお願いします。

それでは、また。


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