はだ農園

針尾汐風みかん



土を制すものは農業を制す! ~団粒構造を理解して理想の土づくりを目指そう!~

こんにちは、はだ農園です。

今回のブログはtabo研究所ということで『団粒構造』についてお話ししようと思います。水耕栽培やロックウールを使った栽培は例外として、昔も今も、どんなに品種や技術が進歩しようとも農業は土なしでは栽培はできません。よりよいものを作ろうと考えると結局『土づくり』にいきつくんではないでしょうか。

『品種や技術ばかりを追いかけて限界を感じているそこのあなた!』に届けたい。農業の根本は土であるということを(^^)vそんな内容となっていますのでぜひご覧ください。

それでは、参りましょう。

団粒構造とは

多くの方は団粒構造が土にとってはいいことだと知っているかと思います。ただ土や作物にとって何故いいのか説明できますか?意外となんとなく分かっていたりもするんではないでしょうか。なので、まずは団粒構造についての理解を深めていきましょう。

団粒構造の仕組み

そもそも団粒構造とはどういったもののことを言うのか知っていますか?団粒構造とは土壌粒子が小粒の集合体を形成していることを言います。均一ではない大小の土の塊が団子状となり、程よく隙間ができた状態のことです。ここでポイントなのが均一でないということです。均一でなく隙間ができる分、土中でも通気性・排水性・保水性・肥効性がよくなります。

団粒構造は土壌粒子が団子状に集まったものと説明しましたが、何もない状態では土壌粒子同士がくっつきずらいものです。そこにはある生き物が大きく関わっています。

昆虫やミミズ、小動物もそうですが団粒構造を形成するにあたって特に『微生物』の働きが大きいとされています。微生物の分泌物や菌などが接着剤の働きをして土壌粒子をつなぎ、団子状を形成しています。微生物は有機物を分解しつつ土を作っているわけです(^^)v

また、土の性質によっても団粒化しやすいものとそうでないものがあります。土は元をたどると岩石になります。つまり鉱物です。鉱物には一次鉱物二次鉱物があり、一次鉱物は土になる過程で変質を受けていない鉱物のことを言い、二次鉱物は空気や水の影響で変質を受けた鉱物のことを言います。二次鉱物はほとんど粘土質(粘土鉱物)となり、腐植物質が合わさることによって団粒構造になりやすくなります。

団粒構造と単粒構造

土の構造は大きく『団粒構造』『単粒構造』の2つに分けられます。団粒構造は先程説明した通り団子状の土で作物や微生物にとっていい環境となります。単位構造はその逆で作物や微生物にはあまり良くない環境の土です。農業の用語で言うと『やせた土』という言い方をしたりします。単位構造は土壌粒子が独立している構造で、例えるなら団粒構造が『集合体』なら単位構造は『集積』になります。土壌粒子同士がくっついておらず、ただ集まっているだけです。

単位構造の多くは砂土質や粘土質の場合が多いです。砂土質の場合は排水性が悪かったり、水分を含むことで土が締まり酸欠状態となります。粘土質の場合も保水性が悪く、砂土質と同じように水分を含むと酸欠状態となってしまいます。また、単位構造は根も伸びにくく、細根が発達しづらいために作物の生育にいい環境とは言えません。細根は栄養成長、生殖成長に大きく関わってくるので土が団粒化しているかどうかで作物は大きく変わってきます。

団粒構造のメリット

それではここからは土の団粒化が進んだ場合、どのようなことが起きるのかを説明していきたいと思います。ほんとにいいことだらけで悪いことは1つもありません(^^)v知れば知るほど引き込まれる世界だと思います。

微生物の宝庫

何度も微生物の話しをして申し訳ないですが、それほど重要なことだと思って聞いてください(笑)。土壌が団粒化すると多種多様な生き物が集まりやすくなります。そのためバランスのいい生態系が作られ、特に微生物の働きにより特定の細菌や病害虫が増えるということがなくなります。つまり農作物への被害が減るということです。

他にも微生物を増やすことで『連作障害』を防ぐことができます。連作障害は同じ作物を同じ場所に植え続けることで起きやすくなります。連作障害の主な原因は微生物の偏りによるものです。実は微生物にも好みの作物があり同じ場所に同じ作物ばかりを植えると特定の微生物が多くなり生態系が崩れて作物の生育が悪くなります。なので、違う作物を植えることで連作障害は回避できます。連作障害の対策として土壌処理や土壌改良などがありますが、どちらも最終的には土壌というよりは微生物に対するアプローチになってきます。

微生物は土の団粒化をさらに促進してくれる存在でもあります。土壌の団粒化がうまくでき始めると通気性・排水性が良くなります。するとそこには多くの微生物や小動物が集まり、それらがエサとする有機物の分解が活発化します。分解の過程で分泌物や接着剤のような副産物が生まれ、さらに土壌の団粒化が進むというわけです。微生物が多く存在することで好循環が生まれます(^^)v

作物のポテンシャル向上

土壌の団粒化は微生物だけではなく作物自体にもとても良い影響を与えます。特に『根』に与える影響は大きく、通気性・排水性を兼ね備え微生物が多く存在する土壌では発根が促進されます。これも何度も言うようですが発根が促進されるということは細根が発達するということです。

細根は水分や養分を吸い上げるのはもちろんですが、発達することで作物が吸収しにくいアミノ酸や鉄などの物質もより吸収しやすくなります。それにより作物は活発化し光合成能力も向上しますし、たくさん呼吸することで多くのエネルギーを生み出すこともできます。

その中でも団粒構造ができることにより作物にとって1番良い影響が出るのが植物ホルモンの活性化なんじゃないかなと思います。作物の根が張るということは植物ホルモンの流れがよくなるということです。水分や養分も大事ですが、作物の発根、発芽、花、成長、成熟、これらは植物ホルモンあってのことですから、団粒化が進み植物ホルモンが活性化することは大きなメリットになります。

巡り巡って経費・労力削減

団粒構造は自然の中では自然と作られていくものですが(ダジャレみたいになってすいません(笑)。)農業で普通に作物を作り続けていると、作られるどころか必ず崩れてきます。なので土壌を保つために農家さんは土にお金や時間を費やして資材や労力を注いでいるわけですが、その重要性を今一度感じて欲しいと思っています。分かってはいても土にお金や労力をかけるのは後回しにしがちです。実際私もそうでした。ただ、土づくりの重要性を意識して行動に移すと急に結果は出ませんが回数を重ねるごとに大きな見返りが表れ始め、今では実感できるほどに経費・労力削減へと繋がっています。

団粒構造が促進されると作物の生育が良くなります。例えば、根が張るので養分の吸収率が上がり必要以上の肥料を与えなくて良くなります。また、生態系のバランスも良くなるので突出した病害虫や菌の発生も抑えられ農薬の散布回数も減り、それにより作物は光合成能力が低下せず細胞も破壊されることなく健全な状態を長く維持できるようになります。

1番のメリットは『労働力』の削減に繋がることです。土に手を加えることは労働力が増えることだと思われるでしょうが、その結果、団粒構造ができて作物の生育が良くなると管理が非常に楽になります。それは微生物が働き続けてくれるからです。私たちが寝ている間も微生物は働き続けてくれます。頼れるだけ頼って労働力の削減を目指しましょう(^^)v

団粒構造を作るには

それでは団粒構造はどうやったらできるのでしょうか。ここでは具体例をあげながら説明したいと思います。

有機物+微生物

団粒構造を作るには有機物の投入とそれをエサに多くの微生物が集まる(投入する微生物資材もある)ことが必須となります。逆を言えば有機物を適正に投入することができれば団粒構造を作ることは難しくないということになります。ですが現状、団粒構造ができている質のいい土を毎年維持できている農家は少ないと思います。農家の多くは土の重要性について理解されています。なのに何故土づくりはおろそかにされるのでしょうか。それには分かっていても実行できない理由があるんです。

近代の農業はAIや農機具の発達もあり一農家の作付け面積が拡大しています。農家の所得をあげる方法として規模拡大が主流となっているわけです。これは技術の進歩からしても当然のことであり、今後も方向性が変わることはないでしょう。ただ、規模拡大が進むがゆえに土づくりや微生物のような植物が本来あるべき姿が薄れてきているように思います。

ひとそれぞれ考え方はあるでしょうが、私は農業は人ではなく作物ファーストであるべきだと思っています。人が作物を支配してコントロールする農業には魅力は感じませんし、それには限界があると思っています。究極のあるべき姿は作物に任せて見守ることだと思っています(^^)vそのために1番大事なことが有機物と微生物から作り上げる『土づくり』だと思います。

土に刺激を与えない

土づくりは非常に大変だと言ってきましたが、それよりも難しいのが土に刺激を与えないことです。これはほんとに大変なことで一歩間違うと仕事の大幅な遅れや品質劣化に繋がるので自分のできる範囲でやりましょう。というスタンスをお勧めします。具体的には、除草剤を散布することで土壌を劣化させたり微生物や作物(特に細根)を痛めることになります。また農薬を散布することでの殺虫・殺菌効果により、せっかく団粒構造で作られた生態系を崩すことに繋がります。他にも大型の農機具(トラクター、ユンボなど)などを扱うことで土を踏み固めることになり団粒構造が保たれにくくなります。

ただ、これらを全てやらないと言うのは現代の農業で生計を立てていく上ではほぼ不可能だと思います。そりゃできるにこしたことはないですし、達成できれば作物や微生物にはすごくいい環境になるでしょう。ですが、私たち農家もお金を稼いで生活をしていかなければなりません。環境にはいいと分っていながらも非効率なことをどこまで許容できるかはよく考えて実行した方がいいと思います。大事なのは今やっている作業が作物にとってどのくらいいいことなのか悪いことなのかを頭の中で理解することだと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。団粒構造や土づくりの重要性がお分かり頂けたでしょうか。私も農業を始めたころは仕事の効率化や機械化、作物の品種選択や栽培技術などによって多くの収益をあげようとして頑張ってきました。実際それで多くの収益が上がりましたし、そういう考えで頑張ってきたことは何ら間違ってなかったと思っています。

ただ農業を知れば知るほど、経験を積めば積むほど限界と違和感を感じてしまうんです。よりおいしいものを作ろうとした時に作物に人工的に負荷をかけ、収穫後に作物を健全な状態に戻すためにまた手を加える。そしてまた負荷をかける。なんか虚しくなってくるんですよね。作物はだんだんと弱ってきますし、無駄に資材と労力を注ぎ込んでいるような気がして(笑)。

その解決方法が土づくりによる団粒構造の形成なんです!農家に『土づくりは大事だと思いますか?』って聞いたらみんな『はい!』と答えるはずです。農家が共通して分かっていることってすごくないですか?みんな重要性は認識しているんです。あとは自分がどこまでやれるかなんです。できるかぎりでいいと思います。土づくりをして作物に対して真摯な農家を目指しましょう(^^)v

質問や感想がありましたら是非コメント欄へお願いします。

それでは、また。


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